樹上空中回廊「キャノピーウォーク」

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特別寄稿 「1万人」が示す意味

「1万人」が示す意味

 寄稿、 飛島 南(とびしま なん)  

  施設が 利用者数を公開するには三つのケースがある。
一つ目は「●●人達成!」に見られる、ノルマ型とでもいうもので 努力をしました、これだけ来て下さいました、だから人気です。と、存在価値を人数の多さでアピールするもの。「達成」とは当初目標の完遂を意味する。 
二つ目は 「ご利用者○○万人!」に見られる、事象継続型で その存在が現在も続きさらに将来にわたっても続いて(けて)いきますという、「周知」を前面に出した表現方法。 
そして三つ目が「○●人到達」にみられる、途中経過報告型。今回のキャノッピがこれにあたる。○●に入る数字は 途中経過だから切りの良い数字でなくてもかまわないが、一般的には、千の倍数や万の倍数が使用される。 この三つ目は、たまたまこうなりました、つまりその数字がほしくて努力したのではありませんと、営業努力を表に出していない訳だが、切りの良い数字で告知していることから、少しは営業の匂いもただよってくる。
 まあ、どちらにしてもある到達点にたどり着く、そしてそこを通り過ぎるということは、当事者にとって背中が押されるメモリーとなり、間違いなくプラスの評価として記憶される。 
 屋久島での一極集中観光がもたらす山の環境悪化。ならば里に目を向けさせる分散化観光で山を守ろう!のコンセプトで立ち上げられた「空中樹冠回廊」。構想ではなく実際に公開運営されている。 スローガンや理想が声高に叫ばれる昨今、対する現実は「現実」として良きも悪しきも日々を重ねている。 
  この空中樹冠回廊運営者はそこが我慢できなかったにちがいない。たしかに、だれかがどこかの時点で行動を起こすことが歴史の要素であるから、この運営者は「一人目」を受け入れた時点で世に提起し、「1万人目」を迎えた時点でコンセプトの方向性にさらなる確信を持つことになろう。
 もちろんこの1万人の中には、島の山岳部を楽しんだ人が大勢居る。しかし少なくとも空中樹冠回廊を楽しんでいる間は、山岳部から「1万人」分の負荷がなくなっている。公開5年半目で1万人のようだが、この数字が2万人となれば、山が受ける負荷も倍少なくなったろう。さらに1年間で2万人となれば、山への負荷軽減は相当なものになる。
 癒やされると称される島ならではの自然環境を後世に残す手立てとして、別角度から実践されている通過点としての「1万人目」は、分散化観光を広める上で頼りになる数字になり得る。

 <飛島 南:作品発表をWEB上で展開する小説家> 

 

 

 

 


 
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